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【レビュー】イエスタデイをうたって - 冬目景

漫画ってあまり読まないんですが、高校時代に友人に薦められて読んだ冬目景が凄くよくて、この人の漫画だけはよく読んでいます。作品として有名なのは「羊のうた」ですかね。OVAになったり、劇場化されたりしているので、知ってる人もそこそこいるかと。

羊のうた」も好きですが、個人的には彼女の作品の中では「イエスタデイをうたって」が一番好きです。彼女は遅筆で、遅筆な上に、完結してないのに別の作品書き出したりとかするので、この作品も一生終わらないんじゃないかと思ってたんですが、ついに16年だって漸く完結。第3巻の次に第4巻が出るのに2年以上、その次の第4巻から第5巻まではほぼ3年ですからね。なんだそれ。

そんなことはさておいて、本作は、フリーターの主人公と彼を取り巻く人々の恋愛群像ラブコメみたいな感じなんですが、こう文字にしてしまうと、なんだそれ、つまらなそう、ってなりますね・・・。この作品の魅力は、その辺で実際に起きてそうなリアルさだと思います。あと、恋愛漫画って、ドロドロさせてみたり、やれ悪役をだしてみたりとか、そういうことが往々にしてありがちだと思いますが、そういうのがない。まぁ、多少ドロドロした部分もありますが、全体的に爽やかなんですよね。読んでいて鬱々としない。そして、どの登場人物も魅力的で、それぞれに感情移入ができる。あと、思うのは、誰かが誰かを嫌いになっているっていう場面が、凄く少ない、それがいいのかもしれない、と今感想を書きながら思いました。

さて、11巻、ようやく最終巻ということで待ちに待っていたんですが、非常に良かった。今までの登場人物が次から次へと出てきて、最終巻感が凄かったです。で、その再登場した人達にもきちんと意味があって、それぞれまた新たに色んな物事を抱えていて、苦悩していて、あぁ人を好きになるって、こういうことだよなぁと考えさせられました。

長かった話がついに終わってしまって、嬉しいやら悲しいやら。とりあえず、ハルちゃんには幸せになってもらいたいですね。ほんとにオススメの漫画なので、是非。

 

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