日箱

日常を箱につめる作業

【映画】僕が宇宙に行った理由

朝活ということで、朝8時台上映開始というウソみたいなスケジュールに合わせて観てきました。今年一発目の映画鑑賞。

最初から別にこれを観るつもりはなくって、朝一やってる映画で面白そうなの無いかなーとトーホーの上映スケジュール眺めてたら目に飛び込んできて、興味をそそられて映画館へ。そもそもこんなドキュメンタリー映画やってるなんて知りもしなかったし、そもそも前澤友作という人物に興味もなかった。

彼に対する印象は別に悪くもよくもなく。元々、私自身もEC業界に居たので、スタートトゥデイという会社は知ってて、いつの間にかZOZOに社名も変わり、会社もでかくなって、ヤフーに売却して、退任して、みたいな一連の流れはなんとなく知ってました。そして、彼自身はしょっちゅうお金配ってる人。芸能人と付き合ったりなんややったりしてる人。アートコレクターだったり趣味にお金つぎ込む人。派手な人。やや胡散臭そう。宇宙に行きたいとか夢みたいなことを語ってる人。そんな印象。この映画についても、あーそういえば、結局宇宙に行ったんだっけ、この人、どんなんかちょっと見てみようかなーくらいの。ただ、ノリで観にいったそんな感じでした。

とまぁ、そんなノリで観に行ったドキュメント映画だったわけですが、これが滅茶苦茶面白かった。新年早々、すごく良いものを観た、、、。

宇宙旅行をする」なんてのは、小学生とかが卒業アルバムに載せる『将来の夢』が思いつかないときに、ノリでそれっぽいこと書いとこ、みたいな、そんなレベルの話だったのに、今や実現できちゃうんだなと。宇宙に対する彼の好奇心や熱意、そしてそれに向かって、彼や彼の周りの人の実現しようとする想いだったり、努力だったりに割と感動して、普通に涙目でみてました。

そもそもの話でよくよく考えれば、当たり前っちゃ当たり前なんですが、なんとなく、お金持ちがお金出せば行ける、みたいなそんな簡単なものではなく、細かなメディカルチェックがあったり、そのあとにまた数か月にわたる訓練があったり、いわば宇宙にいくにはプロも素人も無くて、誰もがきちんとした宇宙飛行士にならなきゃいけないんだなと。行くために手術したりトレーニングをして座学をやってと。お金つぎ込んだ挙句、努力してまでも、そうまでしても宇宙に行きたい、行くんだ、という情熱が凄いなぁと。

全編通して感じだとことは、どんな人でも、本当に熱意をもってひたむきに向き合えば夢って叶っちゃうもんなんだなということ。宇宙旅行なんてバカみたいな夢物語だと思ってましたけど、その辺に居る普通の人。ごく普通の子。小さいころは大人しかった子が、学生になってバンドに目覚め、好きが興じてネットショップ運営がうまくいって、その先に今度は宇宙があって。

別に彼に何か特殊な才能があるわけではなくって、どれだけ自分がやりたいことを、それに対してきちんと向き合ったのか、情熱を注いできたのか、その結果が今につながってるのかなと。少年のように目を輝かせて宇宙を語る彼を観てると、改めて強くそう思いました。

例えば、大谷翔平みたいな人はどうしても体格差とかそういうものもあるので、ちょっと我々とはかけ離れた存在で、現実感がないんだけど、彼の場合は、すごく身近に、本当に、リアルで、もしかすると私達も夢に真剣に向き合うことを、ただひたすらに続けていけば、そのうち叶ってしまうのではないか、というリアル感がある。彼みたいな人も当たり前なんだけど、我々と同じただの一般人なんだなというリアルさを画面越しに感じた。その熱意や努力の量が、ちょっとした、いや、とても大きな違いなんだろう。

彼の「宇宙に来たからってなんも変わったことはない」「地上の人たちが我々に何かの変化を求めすぎてる」といったようなセリフが凄く印象に残ってる。そりゃそうよね、人の旅行にとやかく言うなよ、と。それでも、地上に戻ってきてからの彼のインタビューをきくと、やっぱり価値観や考え方は変わったんだろうな。

そして、もう一つ思ったのは今のところまだ宇宙は平和なんだなと。各国衙協力し合って巨大なステーションを運営していること。また宇宙に行くにあたって各国で様々な訓練を受けること。そして、彼らを載せたパイロットが、若田さんの指導を受けた方だったこと。そういうすべてはつながってるんだなぁと。今も各地では戦争が起きているけれど、宇宙からみた地球はとても小さく、非常に単純な作りで、そして宇宙では人種も何も関係なく皆が助け合っていて。いろいろなことを難しくしてしまているのは我々、人間なんだぁなと。柄にもなくそんなことを想うのでした。

映画の最後の前澤友作のセリフが凄く良かったので、是非、映画で見てほしい。

そして自分にはそこまで何か渇望して実現したいことってこれまでなかったと思うし、今後あるんだろうか、と深く考えさせられるのでした。。。